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ニュースリリース

しまなみ海道開通10周年企画(3) しまなみ海道の通行料金引き下げ後の地域への影響 ~通行量や観光客は大幅増加、一方で航路の減便・廃止が相次ぐ~

2009.08.20 ニュースリリース

平成21年8月20日
No.09-125
株式会社 いよぎん地域経済研究センター

しまなみ海道開通10周年企画(3)
しまなみ海道の通行料金引き下げ後の地域への影響

~通行量や観光客は大幅増加、一方で航路の減便・廃止が相次ぐ~

 株式会社 いよぎん地域経済研究センター(略称IRC、社長 原 正恒)では、しまなみ海道の開通10周年企画として、これまで、沿線住民の利用実態や整備効果(2009年3月発表)や、通行料金引き下げに伴う事業活動や景気への影響(2009年5月発表)について調査しました。
 今回は、通行車両のナンバープレート調査などに加えて、観光施設や航路事業者へのヒアリングを基に、通行料金引き下げによる地域への影響について、下記のとおり取りまとめましたので、お知らせいたします。なお、詳細については、2009年9月1日発行の「調査月報IRC・2009年9月号」に掲載いたします。

【調査概要】

 しまなみ海道の通行料金引き下げの影響を把握するため、通行量データの分析を行うとともに、しまなみ海道を通行する車両のナンバー登録地や車種を調査員が目視観測する「ナンバープレート調査」を実施した。併せて、観光施設や航路事業者などへのヒアリングを行った。

【調査結果要旨】

  1. 通行料金引き下げにより、土・日・祝日の高速道路や本四架橋の通行量は大幅に増加した。瀬戸大橋やしまなみ海道の中には、前年比で倍増した橋もみられる。
  2. 「ナンバープレート調査」の結果、全観測台数は前回(昨年)の調査に比べ48.2%増加し、特に「愛媛」ナンバーは68.2%と大幅に増加した。しまなみ海道は生活道路の側面が強い一方、本州方面への流出が加速していることもうかがえる。
  3. 通行料金引き下げの効果として、遠方からのマイカー観光客が増加するなど、交流人口が拡大した。一方、四国の公共交通機関にはマイナスの影響が出ており、特に、航路の利用者は激減し、減便や廃止が相次いでいる。
  4. 通行料金引き下げは、観光客が増加するなど、一定の効果をもたらしたと言える。ただし、航路の縮小や、通行料金引き下げの車種・期間が限定的であることを踏まえ、今後の通行料金設定や観光振興策、橋と船の共存策などについて、地域が一体となって議論していく必要があろう。

しまなみ海道の通行料金引き下げ後の地域への影響(PDF形式:31KB)

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