平成22年2月22日
No.10-027
株式会社 いよぎん地域経済研究センター
愛媛の学習塾業界の動向と今後の方策
~子どもと保護者のニーズをつかみ、生き残りを図る~
株式会社 いよぎん地域経済研究センター(略称IRC、社長 原 正恒)では、愛媛の学習塾業界の動向と今後の方策について調査を実施し、下記のとおり取りまとめましたので、お知らせいたします。なお、詳細は2010年3月1日発行の「調査月報IRC・2010年3月号」に掲載いたします。
記
【調査概要】
県内の学習塾の現状を把握するため、業界ヒアリングおよびアンケートを実施した。また、保護者の学習塾に対するニーズなどを把握するため、インターネットアンケートを実施し、全国の小学生から高校生までの子どもを持つ保護者1,504名から回答を得た。
【調査結果要旨】
- 学習塾業界は、個別指導(講師1人が1~3人程度の塾生を指導するスタイル)の拡大や、全国大手塾のM&A(合併・買収)などによる再編が進んでいる。
- 愛媛では、小規模塾の廃業が目立ち、教室数は減少傾向にある。このような状況の中、中予地域の教室数は、県内大手塾を中心に個別指導教室が積極的に展開されていることや、中学受験熱が高まっていることなどを背景に、ほぼ横ばいで推移している。なお、愛媛の市場規模をIRCで推計したところ、100億円程度となった。
- 業界アンケートによると、塾生数50人未満の学習塾が全体の約4割、年間売上高1,000万円未満の学習塾が全体の約6割を占めており、県内の大半が小規模塾であることがわかる。直面している経営上の課題・問題点としては、少子化の進行を背景に、「塾生数の減少」との回答が最も多かった。
- 保護者アンケートによると、通塾する学習塾を決める際には、自宅や学校から近いなどの立地の良さや口コミ情報を重視する傾向があった。また、学習塾に学力の向上以外に期待するサービスとして、子どもに対するマナー教育やキャリア教育を望む声が多かった。なお、子ども手当は、「貯金」と「学校関係費」に充てると考えている世帯が多かった。
- 学習塾の今後の方策として、「講師の育成強化」、「指導対象学年の拡大」、「子育て支援事業の展開」が挙げられる。