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合併市町村を訪ねて

小さくてもキラリと光るまちに!! -来年1月1日に新「内子町」が誕生-(2004年9月)

2004.09.01 合併市町村を訪ねて

 今回で4回目を迎える、くろーずあっぷ「合併市町村を訪ねて」は、来年1月1日に誕生する新「内子町」を紹介します。

2町合併から3町合併に

 2005年1月1日、現在の内子町と五十崎町、小田町の3町が合併し、新「内子町」が誕生する。新町は、今年8月1日に誕生した「久万高原町」の西部に位置し、合併後の人口は約2万1千人である。新町の総面積は約300km2と広いが、中山間地域であり、山林等が大半を占めている。
 合併協議は、2002年9月1日に発足した内子町と五十崎町2町による法定合併協議会で正式にスタートした。この2町のある地域は、古くから”内山地区”と呼ばれてきた歴史があり、自然環境や産業構造、風土などでも共通することが多く、合併の枠組みは比較的スムーズに決まった。
 市町村合併における基本的な協議事項の中で問題となることが多い「新町の名称」と「庁舎の位置」についても、両町の首長、議会、住民の理解のもと、第1回合併協議会において円滑に決定された。名称は「内子町」に、庁舎は現「五十崎町役場」を使用することに決定するなど、合併に向けての協議は順調に進んだ。

新「内子町役場」となる予定の現「五十崎町役場」

新「内子町役場」となる予定の現「五十崎町役場」

 

 しかし、昨年6月に突然、現小田町から合併の申込みがなされたため、当初の合併予定は今年10月1日であったが、合併期日は、2005年1月1日に変更された。

 

基幹産業の農林業振興を目指す

 新町では、いずれの地域においても農林業が盛んである。
 現内子町は、果物や野菜などの栽培が盛んであり、中でも、地元の特産品でもあるいちご、桃、梨、ぶどう、りんごなどの果物の収穫が季節に応じて楽しめる観光農園もあり、人気を集めている。
 現五十崎町では稲作が盛んである。特に、「日本の棚田百選」に認定された「泉谷の棚田」では、寒暖の差が大きい気候や、年中枯れることのない名水”大清水”の恵みを存分に活かした高品質米が生産されている。また、農作業体験ツアーを募集するなど、都市と農村の交流を目指した農業にも積極的に取り組んでいる。

「日本の棚田百選」に認定された「泉谷の棚田」

「日本の棚田百選」に認定された「泉谷の棚田」

 

 現小田町は、農業とともに林業も盛んである。近年では、磨き丸太や桁丸太などの銘木生産のほか、銘木材以外の一般木材や間伐材にも付加価値を付けるためにログ加工し、ログハウスとして建築や販売を行うなど、素材生産だけでなく、加工や建築施工までの一貫体制や様々な商品開発にも積極的に取り組んでいる。

 

多彩な観光資源の活用

 現内子町は、江戸後期から明治時代にかけて、和紙と木蝋(もくろう)で栄えた町で、当時の面影が現在も色濃く残されている。特に、八日市・護国地区は、1982年に国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定され、その歴史的町並みを活かしたまちづくりが全国的にも有名である。
 地区内には、1990年に国の重要文化財に指定された「木蝋資料館上芳我邸」や、1916年に大正天皇の即位を記念して建設された本格的な歌舞伎劇場である「内子座」などがある。

八日市・護国地区の町並み

八日市・護国地区の町並み

町民や観光客から評判の高い「内子座」

町民や観光客から評判の高い「内子座」

 

 この地区は、現在開催中の「えひめ町並博2004(2004年4月29日~10月31日)」のコアイベント会場の1つにもなっており、県内外からの観光客で例年以上の盛り上がりを見せている。
 歴史的な町並み以外にも、地域活性化の代表例として全国的に知られている農産物直売所の「内子フレッシュパークからり」がある。ここでは、地元農家が出荷者となり、地元産にこだわった農産物や、加工品などを販売しており、地元住民はもちろん、松山市をはじめとする都市部からのリピーターも多く、年間50万人もの観光客が訪れている。
 現五十崎町には、品質・規模ともに日本有数の”手漉き和紙”の製造所がある。工場内では、昔ながらの「紙の手漉き」を体験することができる。
 また、毎年5月5日のこどもの日には、400年の歴史を持つ県無形民俗文化財に指定されている「いかざき大凧合戦」が盛大に開催されている。この大凧合戦は男の子の初節句の祝いとして始まったといわれており、清流小田川などの豊かな自然を背景に、五十崎町最大の伝統行事となっている。

毎年開催される「いかざき大凧合戦」

毎年開催される「いかざき大凧合戦」

 

 現小田町には、春には新緑、秋には紅葉など、四季折々の景観を堪能することができる「小田深山」がある。シーズンには松山市などからアウトドアライフを求める人々が多数訪れる。

紅葉の美しい「小田深山」

紅葉の美しい「小田深山」

人気の高い「SOL-FAオダスキーゲレンデ」

人気の高い「SOL-FAオダスキーゲレンデ」

 

 また、冬場には県内外からのスキー客でにぎわう「SOL-FAオダスキーゲレンデ」があり、幅広い年齢層のスキー客がそれぞれのスキーコースを楽しむことができる。

 

小さくてもキラリと光るまち

 市町村合併で行政区域が広がると、一般的に住民の意見が行政に反映されにくくなる、あるいは行政が住民から遠い存在となり、住民の地域への関心が薄れることなどが心配される。しかし、新町に限ればその心配はなさそうだ。なぜなら、現内子町では2002年4月に県内でも初の試みである内子町独自の「自治会制度」を導入しており、新町においてもその方式を採り入れる予定になっているからである。
 この「自治会制度」は、これまで社会教育の中心的な担い手であった公民館とその分館からなる公民館制度と、区長がまとめ役となっていた行政区の制度を一本化した制度であり、自治センターと各地区ごとの自治会で構成されている。各自治会では、自分たちで自分たちの地域をどうするか話し合い、自らが「地域づくり計画」を作成し、町はそうした計画に基づく地域づくり事業に補助金を出すなどの支援を行っている。また、各自治会には、「地域づくり住民懇談会」が設けられ、地域づくり事業と行政が実施する事業などの調整の場ともなっている。このように現内子町では、地域住民が自分たちの地域のことを自ら考える行動を実践しているのである。
 このような取り組みは、現五十崎町と現小田町を含め、合併後の新町全体で行われることとなっており、住民参加のまちづくりが新町全体に浸透していくことだろう。
 これからも、住民主体・住民参加のまちづくりが、新「内子町」全域に広がっていくことで、”小さくてもキラリと光るまち”に発展していくことを大いに期待したい。

(越智 洋之)

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