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西日本レポート

【岡山県岡山市】日本一元気なコンベンションセンターを目指して - 岡山コンベンションセンター ママカリフォーラム岡山 -

2003.06.01 西日本レポート

【岡山県岡山市】日本一元気なコンベンションセンターを目指して - 岡山コンベンションセンター

岡山駅の西口にある駅元町地区では今、市街地再開発事業が進められている。今回は、その第1工区分として2001年6月に建設され、独立採算方式によるユニークな運営で注目を集めている岡山コンベンションセンター(通称ママカリフォーラム)についてご紹介したい。

好調なコンベンション誘致

岡山コンベンションセンターの平成14年度におけるコンベンション開催件数は1,040件、ホール稼働率54.4%、会議室稼働率53.7%と当社の採算ライン50%をクリアしており、順調な滑り出しである。内訳は会議利用が270件の26%、セミナーが192件の18%、医学系講演会が50件の5%、学会の全国大会や地方大会が17件の2%となっている。売上のうち大きな割合を占めるのは、学会の21%、医学系講演会の9%である。つまり、件数では合計7%に過ぎない学会、医学系講演会がセンター収入の30%を稼ぎ出しているのだ。学会では参加者が数千名にのぼるケース、期間が6日間に及ぶケースもあり、一回で数千万円の収入をセンターにもたらすものもある。
学会、医学系講演会といった大きなコンベンションの誘致に成功していることが売上の好調につながっている。それでは、なぜ、そうしたコンベンション誘致に成功しているのだろうか。

ニーズを発掘する努力とニーズに合わせる努力

当社では全国大会の岡山開催を働きかける営業活動に余念がない。日頃から地元大学に足を運び、学会の事務局等のキーマンに働きかけている。そのうえで他県で行われている全国大会にも赴き、各団体にセールスしているのだ。もちろん学会や医学系講演会誘致に当たっては、市内に伝統ある大学があることも大きなセールスポイントになっているようだ。
コンベンション会場としては、一般的に移動時間が計算できることが重要なポイントとなる。もちろん駅から徒歩圏なら申し分ない。となると、中四国の結節点であるJR岡山駅から徒歩3分という立地は何物にも替えがたい魅力である。
さらに、主催者側の立場に立ち、これまでのコンベンション施設に足りなかったものについて十分な検討が行われていることも成功の理由だろう。例えば、「準備や手配が大変」「会議や研究会をもっと面白くしたい」「会場の制約にとらわれ、イメージにあった演出ができない」「最新設備があっても使い方がわからない」などといった声にも耳を傾けている。
当ホールでは顧客の多少の無理にも応えられるだけの自由自在な設備配置ができ、それが様々な企画提案を可能にしている。様々なタイプのホールや会議室を設けており、中でもイベントホールやコンベンションホールはシアター形式だけでなくスクール形式にも変更できる柔軟性で顧客ニーズに応えている。最新鋭の映像・音響機材も単に最高クラスのものを提供するだけでなく、音響・映像・照明のオペレーターが十分なサポートを行うので、主催者にとっては心強い。
「その企画、全力でバックアップします」
これが(株)岡山コンベンションセンターのキャッチコピーである。ハード(建物)の良さだけに頼らず、ソフトを重視する当社の姿勢をよく表している言葉である。

ママカリ

0306-02 ニシン科の小魚。標準名は「サッパ」。岡山県では、酢漬け、南蛮漬け、甘露煮、みりん干などにして食べられる。瀬戸内の特産品としても人気が高い。土産品として人気。ママカリの由来は、おかずにしたら自分の家のママ(ご飯)がなくなり、隣の家にカリ(借り)に行くほどおいしいという意味からと言われている。

平成14年度の主な大型案件(参加者1,000名を超えるもの)

1.医学関係
利用日催 事 名主 催 者参加者数
5月14日第75回日本整形外科学会学術集会岡山大学整形外科6,000名
7月24日第20回骨代謝学会川崎医療大学放射線医学1,000名
9月18日第2回日本心血管カテーテル治療学会学術集会倉敷中央病院循環器内科1,000名
2.エネルギー関係
利用日催 事 名主 催 者参加者数
1月23日新エネ・フロンティア21 クリーンエネルギーフェア(財)新エネルギー財団6,000名
3.入試関係
利用日催 事 名主 催 者参加者数
2月3日同志社大学一般選抜入学試験同志社大学2,500名

インセンティブの働く組織運営

ママカリフォーラムのけん引で好調な岡山コンベンション事業だが、過去の失敗に基づいた教訓が現在の事業運営に生かされている。

0306-04 かつて岡山市のコンベンション事業は伸び悩んでいたという。同市のコンベンションビューローには、コンベンション誘致のインセンティブが十分には働いていなかったからである。誘致がうまく進まなくても市の助成を受けることができたのである。そうした局面を打開するために、岡山市に加え、コンベンション誘致の成否が自社の業績に直接影響する総合コンベンション業や旅客運輸業、ホテル業の有力企業が株主となり、(株)岡山コンベンションセンターを設立した。総合コンベンション企業からは出向社員の派遣を受け、コンベンション事業に関する生きたノウハウも教わっている。

 

0306-03 同時に、ママカリフォーラムの運営についても公設民営とし、岡山市はママカリフォーラムの建設資金などの初期投資64億円だけを負担し、(株)岡山コンベンションセンターの維持運営は事業収入だけで賄う仕組みとした。「市の補助を仰ぐことができない」という危機感が同社の自立に向けた努力の原動力となっている。
さらに、「稼働率を上げて利益を出し、それを社員や株主などの利害関係者に配分する」という目標を明確にしていることも、インセンティブ強化につながっている。業績が上がれば社員の賞与は引き上げられ、株主には高く配当するようにしているため、誘致活動にも自然と熱が入るのだ。ちなみに、当社は初年度から5%配当という好結果を残している。

施設概要

1階イベントホールは、商品見本市、ブース展示、学術会議、試験会場と多目的に利用できる。2分割利用も可能。また、ロビー、屋外広場も合わせた3スペースを一体的に使用できる、バリアフリーアクセスならではの利点も備えている。
2階展示ホールは、可動壁面パネルを18枚有し、つなげると100mもの連続した壁面展示が可能。
3階コンベンションホールは最大720席の設置が可能な大ホール。客席は収納できるようになっているので、大規模な学術会議はもちろんのこと、試験会場やパーティ会場としても利用できる。この他に3階には、分科会場に適した中会議室が2部屋ある。
4階中小5つの会議室のほか、クリエイティブルーム、録音スタジオがある。
地下1階・2階260台収容可能な有料駐車場がある。

岡山コンベンションセンターの歩み

2000年7    月    10    日設立
9    月    1    日営業開始
2001年5    月    21    日ママカリパーキング開設
6    月    1    日岡山駅西口パーキング取得開設
6    月    13    日岡山コンベンションセンター開設
7    月    1    日岡山市民会館受託開設
2002年12    月    26    日ホテルエクセル岡山取得賃貸

さらに高まるママカリフォーラムへの期待

岡山市では現在、ママカリフォーラムに隣接する第2工区の再開発が進められており、そのビルにはNHK岡山放送局が入居予定、公益施設「デジタルミュージアム」、商業施設、インテリジェントオフィス、ホテル等の整備も計画されている。平成17年には駅とペデストリアンデッキ(高架橋)にて直結する。「日本一駅に近いコンベンションセンター」と言われている同センターは「駅と一体化したコンベンションセンター」に進化する予定である。
コンベンションがもたらす効果に対する岡山市の期待は大きく、コンベンションを「都市政策の柱」として位置付けているほどだ。ちなみに、岡山市が行ったアンケート調査によると、経済波及効果として、一般の宿泊観光客は26,000円/人、コンベンション参加者は42,000円/人とのことである。旅行会社が募集旅行の人集めで四苦八苦している今日、一度で1,000人単位の集客をすることもあるコンベンションはまさに中核都市・岡山にとって欠かすことのできない存在となっている。
ママカリフォーラムでは今後も参加者1,000名を超える数年先の大型案件も決まっている。平成17年秋には日本医療薬学会、平成18年4月にも5,000人規模の学会が同センターで予定されている。
「日本一元気なコンベンションセンター」を目指す同センターの今後一層の飛躍が期待される。

企業概要

商号(株)岡山コンベンションセンター
設立2000年7月10日
所在地岡山市駅元町14番1号
代表者代表取締役 萩原誠司
資本金9,900万円
株主岡山市    5,000万円
(株)コングレ(総合コンベンション業)    1,900万円
西日本旅客鉄道(株)    1,000万円
(株)レイ(ホテル業)    1,000万円
両備バス(株)    1,000万円
社員数25名
売上高583,508千円(平成14年度)
経常利益34,024千円(平成14年度)
岡山市駅元町地区再開発将来イメージ図

岡山市駅元町地区再開発将来イメージ図

(林 文彦)

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