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くろーずあっぷしまなみ

広島県因島市 村上水軍が因島に蘇る -「しまなみ海道水軍歴史絵巻」(98年11月)

1998.11.01 くろーずあっぷしまなみ

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 99年5月に全通予定の「瀬戸内しまなみ海道」では、沿線各地で記念イベント「しまなみ海道’99」が展開される。今回は99年8月に開催される「しまなみ海道水軍歴史絵巻」と、その広島側の舞台となる広島県因島市を紹介する。

水軍と花とフルーツの島、因島

 瀬戸内に栄華を誇った村上水軍の拠点、因島。かつて除虫菊、現在は杜仲茶の栽培が盛んな地、そして八朔発祥の地として知られている。1850年頃に活躍した棋聖・本因坊秀策生誕の地でもある。また因島八景のひとつ、白滝山から360度広がる眺望はまさに絶景である。
 83年に建てられた全国唯一の水軍城では、本丸を資料館として公開している。因島フラワーセンターは、約95,000本の花木を展示している。囲碁を市技として奨励していて、愛好者も多い。観光協会などが旅行者の宿泊先に対局相手を派遣するサービスを行っている。

▲白滝山山頂

▲白滝山山頂

 

勇壮な水軍武者が蘇る、「水軍歴史絵巻」

 「しまなみ海道水軍歴史絵巻」は99年夏休み最後の週末、8月28日(土)、29日(日)の2日間に、広島県因島市と愛媛県宮窪町を会場として開催される。このうち28日は因島、29日は宮窪が主会場となる。
 因島では、毎年8月に土生(はぶ)港、因島大橋記念公園等を会場に島まつり、火まつり、海まつりからなる「因島水軍まつり」が開催されている。第1土曜日の花火大会には約25,000人と、ほぼ全市民(人口約31,000人)にあたる人出で賑わい、水軍の船・小早(こはや)によるレース(海まつり)でハイライトを迎える。小早レースの参加は初回(91年)が8チームであったが、その後は年々増加しており、8回目に当たる98年には37チームに達した。遠く鳥羽から参加するチームもある。なお、「小早」は全長約11メートル、櫓の数が10から20挺立てくらいで機動性のある小船である。
 火まつりのメインは跳楽舞(ちょうらくまい)のコンテストである。これは戦を終えて凱旋した水軍が打ち鳴らす太鼓に合わせて、島に残った人々が手拍子を打ち、飛び跳ねて無事を喜び勝利を祝った踊りだという。1チーム5人以上で、多数の参加者がある。
 「しまなみ海道水軍歴史絵巻」では、こうした地元行事に加えて水軍武者の陸上パレード、水軍船団による海上パレード等が催され、花火や特殊効果を交えて壮大なスケールの歴史絵巻を繰り広げることになる。土生港周辺で陸・海上パレード、現在整備の進む「因島アメニティ公園」周辺で大阿武船(おおあたけぶね または大安宅船。全長約25メートル、定員150人。水軍の大将船で大河ドラマ「毛利元就」に合わせて復元された)による水軍合戦の再現などが計画されている。イベント両日の観光客数は、「水軍まつり」(昨年約7万人)を超える約10万人と見込まれている。

▲因島水軍城

▲因島水軍城

 

その他のイベント

 水軍絵巻以外にも、さまざまなイベントが計画されている。来年の夏には勇壮な水軍歴史絵巻や海辺のキャンプなど、多彩な海の表情を存分に体験できる因島に出かけてみてはどうだろう。
 今後は、海道沿線の各島がイベントを機に広域連携を進める中で、地元の行事が広く全国にアピールし、観光客を集められるものへと根づいていくことが大切であろう。しまなみ海道で愛媛とつながる因島が、大きく飛躍することを期待したい。

(津田 俊生)

その他のイベント(主なもの)

イベント名時  期内    容
全国囲碁オープン選手権
「本因坊秀策杯」
7月10日(土)~25日(日)本因坊戦の写真等の展示。有名棋士による指導、講演会(24日)、4階級別トーナメント戦、プロ棋士による指導碁(25日)など。
瀬戸内少年スポーツ大会
軟式野球
8月7日(土)~9日(月)中学生による軟式野球大会。
しまなみ海道マリン・ス
ポーツ・フェスティバル
8月中旬ボート、ライフセービング、ウインドサーフィン、ボードセーリング、ジェットスキー等の体験教室、資格講習会など。
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